設立の背景

福島県酪農の早期復興と避難休業者の酪農再開への希望を叶える、復興事業構想と計画策定により
大規模・共同経営方式の未来型酪農先進モデルを目指して「復興牧場 フェリスラテ」が誕生しました。

ロゴマーク

社名の由来/フェリスラテとは

フェリス(Feliz:スペイン語・幸福、幸せ)と
ラテ(Latte:イタリア語・牛乳)を組合わせた造語です。
この牧場から皆を幸福にする牛乳を届けたいという創立者5人の思いが込められています。

時代の流れに乗った、これからの酪農

時代の流れに乗った、これからの酪農

フェリスラテ設立までの道のり

酪農学園在学中にカナダのメガファームへ留学し、理論だけではない実践的な飼養管理を学びました。
卒業後は日本有数の大規模牧場へ就職しましたが、自分の理想とする酪農を目指し退職し2001年福島県飯舘村に新規就農し、入植後10年目を迎える2011年に被災しました。
被災後は山形県内にある大規模牧場へ副場長として招聘され約1年間避難を兼ねて勤務。2012年5月福島市内に乳業のグローバルカンパニーの支援を受け、新たに立ち上がったNPO法人が運営する「ミネロファーム」の場長として福島に恩返しするため戻りました。ミネロファームを軌道に乗せた後、2014年フェリスラテを設立いたしました。

魅力ある産業としての酪農を目指して

フェリスラテは周りからは復興牧場と呼ばれるし、現時点では復興の象徴にもなっているので否定はしませんが、個人的には実はあまりそう考えていません。復興牧場と言うならば、福島県内全酪農家・牧場はそれぞれに復興牧場であると考えています。ただその中で自分に課せられた使命は生産基盤の回復もさることながら、若い人たちが憧れる「産業」として再構築する事です。酪農家の息子だけが後継者として酪農の道に進むだけではなく、酪農家の息子が野球選手になってもいいしラグビー選手になってもいい。逆に、自分のような勤め人の息子や医者・弁護士・芸能人、様々な世界の若者が酪農を目指すことができる、そんな魅力ある産業にしていきたいと考えています。今後は支援してくれた方々の恩に報いるためにも、酪農や農業を目指す若者たちを支援する将来に投資するような事業を積極的に推進していきたいと考えています。そのためには今現在、フェリスラテの経営基盤をしっかりと固めていきたい。もちろん今期入社した若い社員を酪農家として立派に育て上げることが重要と考えています。

酪農を続けるなら福島しかない

福島は震災・原発事故で大きなダメージを受けました。そのような環境で続けなくても、個人的には日本中どこに行っても酪農家として再生する自信はありましたが、福島に新規就農した時から助け合ってきた酪友がいますし、酪農を続けるなら福島しかないと考えていました。ミネロファーム在籍時に大規模復興牧場のプロジェクトが立ち上がり、私に委ねられる結果となりましたが、やるからには酪農家・田中一正としての集大成と位置づけ、何が何でも成功させる意気込みで引き受けました。自分にはもう帰る場所は無いと考えていましたが、今では新しく大きなビジョンがあります。私には福島でやり続けなければならない役割があるのです。
活動には相応の気力が必要ですが、一人きりでやっているわけではありませんし、共に始めた仲間もいます。フェリスラテだけではなく、他にも新たな仲間が増えています。何よりもここまで支援していただいた皆様に感謝と恩返しをしたいと考えています。

時代の流れに乗った、これからの酪農

新しい酪農のためのベースキャンプとして

活動してきた中で得られたものや気付いたこともたくさんあります。酪農家としては多少の成長はあったと思いますが、基本的には変わってもブレてもおりません。牛に対する想いも変わらずにいます。大きく変わったのは個人経営ではなくなったことで、より大局的に物事を見、判断することができるようになったことでしょう。ミネロファームでのNPO活動も自分には大きな価値を与えてくれました。それは子供たちに酪農を体験してもらう教育ファーム活動や、大学生等を対象としたインターンシップ事業などですが、それらの経験から次の世代へ何を残せばよいのか、何を伝えていけばよいのか等の気づきがあったと感じています。
自分の役割は前述したとおりで、福島県というサイズではなくもっと大きな視点で酪農という産業を見据えているつもりです。私にとっての福島は、新しい酪農のためのベースキャンプ、起点のようなものでしょうか。

Show Must Go On

福島は確かに大きなダメージを受けました。そのために今のフェリスラテがあるという事実は否めません。だがしかし、福島の酪農業ばかりではなく日本の酪農業として考えると、復興ではなく再生ではないかと考えています。福島県は震災前から酪農関連団体や乳業者との関係など、酪農を営むには恵まれた環境にありました。これらの利点を活かしながら、福島から発信する注目度を活かしながら取り組んでおります。
最後に、座右の銘という程ではありませんが「Show Must Go On」と言う私が敬愛する英国のロックバンド、クィーンの名曲があります。上手に訳せませんが「途中で止めるわけにいかない」と解釈しています。私は酪農を続けなければいけないし、これからは人も育てていかなければならない。もちろん経営者としての大きな責任もあるし、他に公職を賜っているものもある。そういった意味では個人の時間は年に数日あるかないかだが、それでも自分は満足しています。